長男が久しぶりに帰って来た。
中学を卒業してから親元を離れ、剣道をするために和歌山市の高校へ進学した。
寮生活をしながら、剣道と勉強で大変だと思うが、一度も弱音を吐かなかった。
高校生活最後のインターハイ予選、惜しくも決勝で敗れ涙を流した。
中学三年の県大会で、あと一勝すれば全国大会出場というところで破れ
全中の夢は消えた。
その時、地元を離れ強い高校に進学し、両親を全国大会へ連れて行きたいと思ったらしい。
高校二年時のインターハイ。
三年時春の選抜大会。
先生の熱心なご指導と、子ども達の努力のお陰で
二度も全国へ連れて行って貰った。
最後の夏に、もう一度インターハイに出場したかっただろうが、精一杯頑張ってきたことを
分かっているから、「よく頑張ったな」と声をかけた。
息子が戦っている時、低学年の頃から一緒に稽古をしてきたことを思い出していた。
私も若かったし、厳しかったと思う。
息子は、よく泣きながら稽古をしていた。
今、チームの大将として、もの凄い重圧の中で戦っていると思うと、私の体も熱くなった。
自分が試合に出るほうがはるかに楽だ。
試合が終わって数日が過ぎた頃、息子が初めて弱音を吐いた。
『今は剣道から離れたい。』と
進路の事もあるので、学校を休ませていただき、連れて帰って来た。
一泊二日の短い時間だったが、小学生の頃に良く手伝ってくれた
お肉にラップをしたり、牧場へ行って牛にブラッシングをしたりと
久しぶりに親子でのんびり過ごせた。
『まだいくつか試合が残っているし、後の試合は自分らしく、そして楽しく剣道をするわ。』
和歌山へ戻って行った息子が手紙をくれた。
メールやLINEじゃなく、手書きの手紙が嬉しく、心に響いた。
息子と稽古したいな。そう思った。
なでてあげると、牛は頭を下げてじ~っとしています。
# by mikumano-beef | 2013-07-04 08:35